今よりもっと不便な生活を送っていたはずの戦前、人々はどのように生活していたのか興味を持ち、手に取った一冊です。
行動が制限された今だからこそ読みたい、戦前の人々の暮らし方や娯楽、なにかヒントになるものはないかと好奇心をくすぐる内容です。
戦前のイメージとは?
「二・二六事件」や「満州事変」、戦前の出来事はおどろおどろしいものばかりです。
国民の皆さんは軍国主義へのエスカレーターを上り、自由な生活が徐々に奪われていくようなイメージが染み付いているでしょう。
しかし、事件や出来事のように戦争に関わる出来事は学校や塾で学んでいたとしても、当時の国民の生活をあまり知り得ないのではないでしょうか。
しかし、この一冊がそのイメージをガラリと変えます。
戦前の人々が実際にはどんな生活を送っていたのか、戦前の人々の「視点」をキーワードに、戦前の生活を読み解きます。
本書の目次
本書は7つの項目に分けられています。
序章、娯楽、社会のニュース、子供、海外旅行ブーム、スポーツ、アンダーグラウンド社会です。
どれもが現代と変わらないトピックばかりだと思います。
さらに掘り下げると、「カルピスの登場」「裁判員制度」「国体」、これら全てのワードは全て戦前からある事実なのです。
驚くかもしれませんが、現在私たちの周りにある身近なものは実は戦前からあったのです。
現代では慣れ親しんだものですが、当時発売・発足したばかりの国民の熱狂は想像にたやすいでしょう。
当時の民衆が、社会の移り変わりに合わせてどのように娯楽や社会を楽しんでいたかがわかります。
現代よりも限りなく貧しく、灰色の世界、しかし現在の私たちの想像を超えたエンターテインメントが戦前に存在していたのです。
当時の民衆の目を通しながら、自身の生活を見直してみませんか?
まとめ
当時の生活を民衆の視点を通して読むことにより、現在に生きる私たちの視点を再確認することができるように感じました。
祖父母・曾祖父母の時代、灰色でモノクロで貧乏な世界を想像していまいがちです。
しかし、当時の国民は現代に続くエンターテインメントをいち早く楽しみ、生活と心を豊にしていきました。
コロナ下で行動が制限しているなか、私たちが必要としているのは、私たちの周りにあるささやかな幸せを見つけることなのかもしれません。