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アプリ開発やソフトウェアビジネスを始めるときに読みたい「ロイヤルティの実務」のレビュー

こんにちは、最近はソフトウェアビジネスにも携わっている商社マンくんです。

ソフトウェアというと、一昔前まではパソコンで使うエクセルやワードを思い浮かべる人が多かったと思いますが、今日ではスマホで使うアプリのほうが身近に感じられますよね。

私たち商社マンも、いろいろなアプリ関連ビジネスやWEBサービス関連のソフトウェアビジネスを手掛けるようになっています。

ところが、ソフトウェアビジネスは権利関係をあらかじめ契約書で整理しておかないと、トラブルが起きやすいんですよね。

そんな状況を回避するために呼んでおきたい本が「ロイヤルティの実務」です。

これから、この本のポイントをご紹介しますね。

アプリなどのソフトウェア開発契約書の中で、権利関係やライセンス許諾範囲を明確にする

ソフトウェア開発をする場合は、自分の会社だけで開発するケースだけではないですよね。

リスク分散という意味や、自分の会社では持っていない技術を取り込むために、同業他社と提携してソフトウェアを開発するケースが多いですよね。

この本では、完成したソフトウェアの権利配分を契約書で明確にしておかないと、後日必ずトラブルの原因となると説明しています。

理由は、ソフトウェアを販売し、売上高の分配時にトラブルとなるだけではありません。

決算期末の時期に、監査法人から会計監査を受けるのですが、監査法人から「このソフトウェアは、権利関係が不透明になっているではないか。

これでは貸借対照表に計上される無形資産について承認することができない」と指摘されてしまうためです。

他にも、この本では、契約書のなかにソフトウェアのライセンス許諾範囲を決めておくことが重要と書いています。

現在、とくにアメリカと中国が貿易紛争を起こしていますけれども、日本政府も輸出禁止の品目を定めているんですよね。

とくに国防関連です。

ソフトウェアビジネスを始めるときは、開発したソフトが輸出禁止品目に抵触していないかどうかもチェックする必要があるんですよね。

このビジネスに関する契約書は、工事請負契約書のような定型文書がないため、この本は実務的に参考になりますよ。

ロイヤルティ価格を適正水準に設定する

ソフトウェアを開発したあとは販売活動をすることになりますが、その販売価格(ロイヤルティ価格)を適正に決めることも重要と、この本では説明しています。

そして価格を決める要素としては、どれほどの売上高を計上できる見込みなのかや、ソフトウェアの技術的な価値、代替技術が簡単に現れるか否かなどが挙げられています。

販売価格(ロイヤルティ価格)を適正に決める必要があることは当然なのですが、他にも理由はあります。

他社から無断で類似したソフトウェアを開発され、しかも販売された場合、著作権を侵害されたことを理由に、損害賠償請求訴訟を起こす必要があるからです。

このとき賠償請求額を決めなければなりませんよね。

これらの事態も想定しないといけないため、あらかじめロイヤルティ価格を綿密に決めておかないといけません。

ソフトウェアビジネスに慣れるまでは大変です。

まとめ

この本を読むと、アプリなどのソフトウェアを開発することは簡単なのですが、権利関係の調整や、どの国に販売すると法律違反となるかの調査が必要かなど、やるべきことが多くあることを理解することができます。

昔からビジネスが確立されている建築ビジネスなどの契約書と違って、ソフトウェアビジネスには決まった内容の契約書のひな型がありません。

多くのソフトウェアビジネス関係者が、手探りでビジネスを展開してるのが実情だと思います。

このため、これからソフトウェアビジネスを始めたい人には、この本のように丁寧に書かれた実務書とにらめっこしながら丁寧にビジネス展開をおこなうことをお勧めしたいです。