こんにちは。香川県で家族と共に農業を営んでいる者です。生まれた時から田畑が遊び場で、今では土の匂いと共に生きる毎日。香川県は日本一面積の小さな県ですが、実は農業の魅力がギュッと詰まった土地なんです。今回はそんな香川の農業の魅力と、これからの可能性について、現場の目線でお話しします。
香川県の農業は小さくても多様性が魅力
まず香川の農業で真っ先に思い浮かぶのが、その多様さです。米や野菜はもちろん、オリーブやアスパラガス、小麦に柑橘まで、本当にいろんな作物が育っています。特に、オリーブの生産量は全国トップクラス。私の畑の隣でもオリーブを育てている仲間がいて、収穫の時期はあたり一面いい香りが漂います。
それから、「さぬきの夢2009」や「さぬきのめざめ」など、香川オリジナルの品種が多いのも面白いところ。味も見た目も良くて、県外からの評価も高いんですよ。小さな県だからこそ、工夫と技術で勝負している感じがして、私たち農家としても誇らしい気持ちになります。
高齢化や農地の問題も、前向きに取り組む姿勢が大切
とはいえ、課題もあります。やっぱり一番は高齢化。私の集落でも、周りはほとんど60代以上。でも最近は、若い人たちが都市部から移住して新規就農を始めるケースも増えていて、希望を感じます。
また、農地の管理も大変です。放置された土地や古くなったため池などの農業用施設…。でも、県や自治体が支援を行ってくれているおかげで、少しずつ整備も進んでいます。私自身も、地元の若手農家と協力して、使われなくなった田んぼを再生させるプロジェクトに参加しているんですよ。
地域の資源を活かした香川ならではの農業へ
香川には香川用水やため池など、古くから守られてきた農業インフラがあります。それを活かして、少ない水でも安定して作物が作れるのは本当にありがたいこと。しかも最近は、直売所や道の駅などで地元の野菜を売る地産地消の取り組みも活発で、消費者の声が直接聞ける機会も増えました。
さらに、個人的に注目しているのが「農福連携」。高齢者や障がいのある方と一緒に農作業をすることで、地域にとっても農業にとってもプラスになる取り組みです。農業って、単に作物を育てるだけじゃなく、人や地域をつなぐ力もあるんだなと感じます。