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「溶接」さまざまな加工方法を紹介

町工場の前を通りかかった際、バチバチという音とともに、青色やオレンジ色の火花が飛び散っている光景を見たことはないでしょうか??作業をしている人は金属製の仮面のようなものを顔に付けていて、子どもの頃、何だかカッコいいなあ、と思った覚えがあります。群馬でも溶接工場の風景は日常の一つでした。
この作業は金属加工の中でも「溶接」の一部です。溶接というのは、金属同士をつなぐための加工法で、板金製品の加工で最も重要な加工法の1つです。簡単に言えば、金属を加熱・加圧して接合部の一部を溶かし、冷却して固めることで1つに接合する方法です。板金製品は板状の金属を加工するため、立体的な製品を作る場合に溶接の作業は欠かせません。溶接でつないだ金属が使われている場所は枚挙に暇がなく、自動車や鉄道、飛行機などの乗り物、建築用の鉄骨、スポーツ用品などにも利用されています。

種類は60以上もある

実は溶接の中にもたくさんの種類があり、60種類以上の加工方法があるとも言われています。溶接方法ごとに得意とする材質、不得意とする材質があります。さらには材料の厚さなどの条件によっても適した方法が違ってきます。そのため、溶接加工をする際は専門の知識を持っていることが非常に重要になります。
大きく分類すると、「融接」、「圧接」、「ろう接」の3種類に分けられます。融接とは最も代表的な溶接の方法で、母材の接合部を加熱して溶かし、冷却することで凝固させます。まあ、読んで字のごとく、という感じですね。さらに細かく分類すると、アーク溶接、ガス溶接、レーザ溶接などに分けられます。
圧接は接合部に熱を加えた後、機械的な圧力を加えて接合する方法です。薄めの板の接合に用いられることが多いようです。電気を使う抵抗溶接などがあります。ろう接とは母材よりも融点の低い金属を溶融させ、接合部のスキマに充填する方法です。母材を溶かさないので、異なる材質をつなぐことができます。
一口に溶接と言っても、さまざまなんですね。