日本史の教養はビジネスにも必要です。
それを痛感した体験が海外出張中にありました。
海外出張で仕事は順調に終えたのですが、現地の方々との交流中の会話で、日本の歴史に関する内容を尋ねられて非常に戸惑いました。
しかも、一度や二度ではありません。
アメリカだけでなく、中国やスペインでもそうでした。
日本人である自分が、日本の歴史をよく知らない状態したので、非常に恥ずかしい思いをしたのです。
何か、程度の低い人間だと捉えられているように感じました。
海外では、ビジネスや社交の教養として日本の歴史は重要なのです。
仕事がグローバルになれば、国内にいても、英語を話せなくても、状況は同じだと思います。
自身の教養不足を反省し、何とか歴史を学び直せないかと気になっているときに、本書をみつけました。
「いっきに学び直す日本史」という本について
本書は、元外交官である作家・佐藤優さんの著書です。
本書は、伝説の学習参考書といわれていた安藤達郎著「大学への日本史」を佐藤氏がリニューアルした本です。
佐藤氏は、諸外国のエリートとコミュニケーションをする中で、日本史を学び直す座右の書として安藤氏の本を持ち歩いていたそうです。
上下巻の2冊あります。
上巻は教養編で「古代・中世・近世」を、下巻は実用編で「近代・現代」を扱っています。
「古代・中世・近世」を学ぶべき理由
佐藤氏によると、ビジネスマンが学ぶ意義と必要性が強いのは、「古代・中世・近世」だと言っています。
本書の上巻・教養編になります。
学ぶべき理由を3つにまとめました。
1)ビジネスや社交の場において、「古代・中世・近世」の知識は武器にも落とし穴にもなるからです。
例えば、茶動の表千家・裏千家の違い、相撲の起源の話題になったとき、全く知らなければどうなるでしょう。
相手のレベルが高い程、「その程度の人間」と判断され、ビジネスで相手にされなくなるかもしれません。
チャンスを逃すのです。
2)「近代・現代」の知識はビジネスに直結するので、最低限の知識として多くのビジネスマンが知っているのです。
つまり、ライバルと差がつかないのです。
知的教養の差がでるのが、「古代・中世・近世」なのです。
3)「古代・中世・近世」で起きた様々な出来事は、形をかえて何度も繰り返されているからです。
関係の類比(アナロジー)で歴史を見る目を養えるのです。
日本史を学ぶべき意義
佐藤氏によると、安易につくられた新書100冊を読むよりも、この1冊(上下2巻)を熟読した方が良いと断言しています。
上巻の「古代・中世・近世」の知識は直接役立つ知識ではありません。
しかしながら、教養と複合的な問題を解決する素養として役立ちます。
下巻の「近代・現代」はビジネスに直結します。
是非、ビジネスや社交に必須の実用書として活用してください。
まとめ
日本史の知識は、ビジネスや社交の教養として、実は必要な知識なのです。
「近代・現代」の知識はビジネスに関係します。
また、「古代・中世・近世」の知識はビジネスに直接役立つわけではありません。
しかし、ビジネスや社交の場で必要な教養として活かせるのです。
歴史的な出来事は、形をかえて何度も繰り返されています。
「古代・中世・近世」を学ぶことによって、関係の類比(アナロジー)で歴史を見る目を養えるのです。
グローバルに仕事を行う場合、交流中の会話で、自国の歴史をよく知らない状態ですと、恥ずかしい思いをするだけでなくビジネスにも悪影響です。
本書をビジネスの実用書として活用してほしいと思います。